AfterStory~彼女と彼の話~
手作りチョコが残り1つになって、全部食べてくれるのかと思ったら、海斗さんはスッと立ち上がる。
「ちょっと待ってて」
海斗さんは居間を出ていき、私は一人ポツンと残された。
(もしかしてお腹を壊しちゃったのかな)
手作りチョコって、私には向いてなかったのかもしれない。
さっきまでは海斗さんが食べている姿を見れてチョコのように甘い空気に包まれていたのに、今は何だか苦く感じる。
「はぁ…、手作り失敗か…」
来年はブランドのチョコを選んだ方が無難かなぁと反省していたら、襖が開いて海斗さんが入ってくる。
「海斗さん、チョコは美味しく無かったでしょ?」
「は?」
「だって急に席を立ったので…」
私は俯いてしまう。
こんな反応は海斗さんに失礼になっちゃうけど、あまり美味しく無かったのなら我慢して食べて欲しくないなと思った。
「麻衣、顔を上げて」
「え?」
私は顔を上げると、海斗さんがミニサイズのピンクのバラの花束を差し出しながら立っていて、バラからはとても甘い香りがしてきて鼻腔をくすぐる。
「海斗さん、これ…」
「バレンタインは男からも贈るものだって、宇ノ島駅近くの雑貨屋の人が教えてくれた」
海斗さんの頬が、ほんのり紅くなっている。
「麻衣、早く受け取ってくれないと、俺は恥ずかしさの限界がきそうだ」
海斗さんは私の前にしゃがむ。
私、一人で勝手に落ち込んでたけど、現金な奴かもしれない。
(どんな風な顔をして、花束を選んだのかな)
きっと恥ずかしかったかもしれないと想像して、一人でにやにやしちゃう。
「海斗さん、ありがとうございます」
「ああ」
私は満面の笑みを浮かべてバラの花束を受け取り、香りをすぅっと吸い込むと、甘い香りが全身にわたる。
「ちょっと待ってて」
海斗さんは居間を出ていき、私は一人ポツンと残された。
(もしかしてお腹を壊しちゃったのかな)
手作りチョコって、私には向いてなかったのかもしれない。
さっきまでは海斗さんが食べている姿を見れてチョコのように甘い空気に包まれていたのに、今は何だか苦く感じる。
「はぁ…、手作り失敗か…」
来年はブランドのチョコを選んだ方が無難かなぁと反省していたら、襖が開いて海斗さんが入ってくる。
「海斗さん、チョコは美味しく無かったでしょ?」
「は?」
「だって急に席を立ったので…」
私は俯いてしまう。
こんな反応は海斗さんに失礼になっちゃうけど、あまり美味しく無かったのなら我慢して食べて欲しくないなと思った。
「麻衣、顔を上げて」
「え?」
私は顔を上げると、海斗さんがミニサイズのピンクのバラの花束を差し出しながら立っていて、バラからはとても甘い香りがしてきて鼻腔をくすぐる。
「海斗さん、これ…」
「バレンタインは男からも贈るものだって、宇ノ島駅近くの雑貨屋の人が教えてくれた」
海斗さんの頬が、ほんのり紅くなっている。
「麻衣、早く受け取ってくれないと、俺は恥ずかしさの限界がきそうだ」
海斗さんは私の前にしゃがむ。
私、一人で勝手に落ち込んでたけど、現金な奴かもしれない。
(どんな風な顔をして、花束を選んだのかな)
きっと恥ずかしかったかもしれないと想像して、一人でにやにやしちゃう。
「海斗さん、ありがとうございます」
「ああ」
私は満面の笑みを浮かべてバラの花束を受け取り、香りをすぅっと吸い込むと、甘い香りが全身にわたる。