AfterStory~彼女と彼の話~
「ん~」
意識が戻って瞼を開けると彰の姿は無くて、広いベッドに私だけしかいなかった。
気だるさが残りながら起きて、ベッドの下にある洋服に手を伸ばして着替える。
「リビングかな」
ベッドルームを出てリビングに行くと、スパイシーな香りがする。
「起きたか」
「おはよう」
キッチンで彰が何かを作っていたので傍に行くと、カレーがグツグツと煮込んであって、美味しそう。
「もうすぐ出来るぞ」
「じゃあ、私はご飯を用意するね」
昨日余ってしまったご飯を冷凍庫から取り出して、レンジで温めて、食器に盛りつけてカレーをかける。
「いただきます」
中くらいの辛さだけどコクがあって、とても美味しい。
「コクがあって美味しいよ」
「隠し味を使ってみた」
「どんな?」
「黙秘する」
「なにそれ」
クスッと笑いながら、またカレーを一口食べる。
「ご馳走さまでした」
「食べてくれて嬉しかった」
食べ終わると食器を下げて洗い始め、彰はリビングで三毛猫に餌をあげている。
私は食器を拭いて棚に戻して、生ゴミを処理しようとゴミ箱を開けたらあるものがあった。
「これ…」
そこにあったのはカカオ100%のチョコの包装紙で、バレンタインを意識したデザインだった。
そういえばカレーにコクを出すためにチョコを入れる場合もあるって、ウェブ上で情報が集まる書き込みを読んだことがある。
『隠し味を使ってみた』
料理を作ってくれただけでも嬉しいのに、彰からの逆チョコをいつの間にか食べてたんだと思って、また彰のことを好きになる。
私はそっとゴミ箱を閉めて、彰の傍に行くと三毛猫は気持ち良さそうに寝ていて、私は彰の肩に頭をこつんと寄せた。
「ねぇ、彰」
「何だよ」
「また作ってね」
「ああ」
「約束だよ」
約束のキスの味はスパイシーで、今年のバレンタインは沢山の愛の味がした。
愛の味は、幸せの味
【東雲沙紀side終わり】
→次は南山目線
意識が戻って瞼を開けると彰の姿は無くて、広いベッドに私だけしかいなかった。
気だるさが残りながら起きて、ベッドの下にある洋服に手を伸ばして着替える。
「リビングかな」
ベッドルームを出てリビングに行くと、スパイシーな香りがする。
「起きたか」
「おはよう」
キッチンで彰が何かを作っていたので傍に行くと、カレーがグツグツと煮込んであって、美味しそう。
「もうすぐ出来るぞ」
「じゃあ、私はご飯を用意するね」
昨日余ってしまったご飯を冷凍庫から取り出して、レンジで温めて、食器に盛りつけてカレーをかける。
「いただきます」
中くらいの辛さだけどコクがあって、とても美味しい。
「コクがあって美味しいよ」
「隠し味を使ってみた」
「どんな?」
「黙秘する」
「なにそれ」
クスッと笑いながら、またカレーを一口食べる。
「ご馳走さまでした」
「食べてくれて嬉しかった」
食べ終わると食器を下げて洗い始め、彰はリビングで三毛猫に餌をあげている。
私は食器を拭いて棚に戻して、生ゴミを処理しようとゴミ箱を開けたらあるものがあった。
「これ…」
そこにあったのはカカオ100%のチョコの包装紙で、バレンタインを意識したデザインだった。
そういえばカレーにコクを出すためにチョコを入れる場合もあるって、ウェブ上で情報が集まる書き込みを読んだことがある。
『隠し味を使ってみた』
料理を作ってくれただけでも嬉しいのに、彰からの逆チョコをいつの間にか食べてたんだと思って、また彰のことを好きになる。
私はそっとゴミ箱を閉めて、彰の傍に行くと三毛猫は気持ち良さそうに寝ていて、私は彰の肩に頭をこつんと寄せた。
「ねぇ、彰」
「何だよ」
「また作ってね」
「ああ」
「約束だよ」
約束のキスの味はスパイシーで、今年のバレンタインは沢山の愛の味がした。
愛の味は、幸せの味
【東雲沙紀side終わり】
→次は南山目線