雨と駄菓子屋と約束
私たちが出会ったときの
話をしようかな



あの日は土砂降りの日。

雨宿りをしていた。



明里 最悪ー

天気もだけど私の心もだった。
仕事で失敗、友人とケンカ。
それに傘忘れるし…


ハァ…

隣から大きなため息。

そっちを向くと
髪くしゃくしゃで
びっしょびしょの男。


明里 ふふっ(笑)

真  なんすか?


急に笑っちゃって変な感じに…

真 あなたも傘ないんですか?

明里 はい、忘れました(笑)
   あなたも?(笑)

真  さっきまではあったんですけど。

明里 無くしたとか?

真  いや、傘もってなかった
   親子にあげました

明里  っ……

驚いて言葉がでない。

こ、この人が傘を?
人にあげた?

愛想がなくてクールで
人のことなんて気にしなそうなのに

真 意外って思った?

明里 はい(笑)

真 俺、子ども好きなんだ((ニコ

明里 笑った…

真 ……((俯く

きまりわるそうに俯いてしまった。
てゆーか、この人顔見えない。

びっしょびしょの髪が
顔を覆うせいでみえないんだ。

そんなことを考えてると
髪をかきあげながらこっちを向いた

真 傘忘れるなんて
  天気予報みてないんですか?

明里 あっ…


超イケメン……

真 ん?

明里  い、いえ
    晴れてきましたよ?

真  ほんとだ。
   んじゃ。

立ち去るあなたは何者ですか?

整いすぎたその顔。
男らしい体。

一目惚れでした。



   



それから数日後。

雨宿りをしていた駄菓子屋さんに
行ってみた。


ここは小さい頃から通っている。

ここのおばあちゃん大好きなんだ♪


おばあちゃん いらっしゃぁーい。

明里  おばあちゃん元気そうだねー♪

おばあちゃん まだまだ、元気さぁー(笑)

明里 あっ……

あの時のびっしょびしょのイケメンだった

真 おばあちゃんこんにちは(笑)


笑った…

おばあちゃん おぉー、真くん
       まってたよぉ(笑)
       

あっ…こいつ。

明里  し…ん…長谷川 真!

真 んだよ、急に。
 
明里 真だ!

真  お前…まさか……
   ストーカー?

明里 違うわ(笑)

真  明里、久しぶり((ぎゅっ

いきなり抱きしめられた。

明里 真…(泣)

真  ごめんな、雨宿りのとき
   言い出せなくて…

真はすっかり大人になってた。

小さい頃はずっと一緒にいたんだ。
だけど真は引っ越した。

私の初恋の相手。

俺、絶対戻ってくるから!
待ってろよ!

明里 ちゃんと待ってたよ。

真 あったりまえだ!
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