君のため
あたしは1人で部屋にいた。
なんのために片付けたのかわかんないじゃん。
「はぁ…」
翔樹の部屋は隣だ。
杏ちゃんの時よりも何をしているのか気になる。
そっと壁に耳を近付けてみた。
…想像通り、甘い声がきこえる。
翔樹も手を付けるのはやすぎだよ…
自然と涙がでた。
その時
「ただいまー」
お兄ちゃんだ!!
あたしは急いで階段をおりた。
「お兄ちゃんっ!!」
つい顔を見たら抱きついてしまった。
「うぉっ!?どうしたんだよ」
そりゃびっくりするよね。
お兄ちゃん…
あったかいね。
「…翔樹があたしの友達と…ヤってる」
…
ちょっとした沈黙。
「そっか…今?」
「うん…今」
なぜか自分で言って悲しい。
「じゃあちょっと来い」
「えっ!?」
お兄ちゃんがいきなりあたしの手を引っ張った。
そして強引にお兄ちゃんの部屋につれていかれた。
バタン!
「おにぃ…」
言いかけると口になにかが触てれきた。
「…んっ」
お兄ちゃんの唇があたしの唇に重なっていた。
「おにいちゃ…ん」
ついに舌まではいってきた。
「おに…ちゃん…くるしいよ」
その言葉でお兄ちゃんはやめてくれた。
「はぁ…はぁ」
あたしは肩で息をする。
「じゃあ俺らもしたらいいじゃん?」
…はいっ!?
いやいやいやいや、意味不明なんですけど
「何言ってんの!?」
「だから、翔樹たちに聞こえるようにおっきい声で喘いで?」
「意味わかんないよぉぉ泣」
言った瞬間、あたしはベッドに押し倒されていた。