君のため

翔樹side


あー、くだらね。

今日学校で杏ってゆうやつに告られた。

みんな見てたし、断ったら俺が最低な男みたいになるのが怖かったから

OKしてしまった。

俺がほんとに好きなのは

かこだけなのに。

これが間違いだったとはそのときはまだ気付いていない。

帰り道。

「翔樹ー!」

気安く名前で呼ぶな。

名前で呼んでいいのはかこだけだ。

「何?」

予想通り、声の主は杏だった。

「今から翔樹の家に行っていい??」

めんどい。

断るとのちのちうるさそうだったから

「いいよ」

といった。

杏はやったと言いながら腕に絡みついてくる。

…ほんっと、じゃま。



家についた。

「翔樹の家、おっきいね!」

あっそ。

どうでもいいと思って玄関のドアをあけた。

そしたら

「あ、ねーちゃん…」

そこにいたのは大好きな、かこ。

「翔樹!!お帰り♪」

なんでこんな時に限って玄関にいるんだよ。

すると

「この人、お姉さん?」

杏が言った。

最悪だ。

みるみるかこの顔がひきつってゆく。

そんなかこをみたくなかった。
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