君のため

下の階に行くと、もう翔樹はご飯を食べ始めていた。

「あ、かこ。おそかったな」

口にいっぱい含んで翔樹は言った

「あーあ、そんなに口に含んだらつまっちゃうのに…」

「んぐっ!!ゲホッ」

言ったそばからこれだ。

かわいいやつだなと思った(笑)

お兄ちゃんとあたしは呆れながらその様子を見ていた

「よし!かこ、こんなやつはほっといてご飯食べよっか」

「うん!」

「「いただきます」」

未だに翔樹は涙目になりながらせきこんでいる。

ん!今日のご飯も美味しい!

お兄ちゃんが作ってくれるご飯は世界一だ。

それに比べてあたしは卵焼きすら作れない

女子なのに情けないと我ながら思う…

あたしたちが食べ終わった頃、やっと翔樹が元に戻った。

「俺らもう行くからな?」

「いってきまーす」

と、あたしとお兄ちゃん。

「あ!待って!」

翔樹がばたばたと走ってくる

いや、口の中空にしてからこいよ(笑)

そうしてあたしの騒がしい朝は終わっていった。
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