君のため
「っ…何?」
翔樹はびっくりした顔で見てくる
その目もさっきまで違う子のことを見てたんだね
「っ…翔樹のばかっ!!」
あたしは我慢できなくなり、自分の部屋へもどろうとした。
しかし
「まてよ!」
翔樹が腕をつかんでくる。
「いやっ!!離してっ!」
あたしは必死に抵抗した。
しかし翔樹の力には敵わない。
「なんで逃げるんだよっ!」
翔樹に怒鳴られた
こんなこと初めてで
どうしたらいいかわからない
「あたしをもて遊んでるんでしょ!?」
あたしも怒鳴る
「翔樹はあたしの気持ちを知ってて秋や杏ちゃん達とやってるんでしょ!?
ひどいよ…あたしは翔樹のことが大好きなのに…」
「…………翔樹なんてだいっきらい。」
子供みたいだなぁ
翔樹はこんなやつ、嫌だろうな
「…かこ、俺のことを好きだったの?」
…え?
「知ら…なかったの?」
「知るわけないじゃん!」
即答。
「俺が一方的に好きだったのかと思ってた」
ちがう
そんなんじゃない
あたしだって翔樹のこと、好きなんだもん
「あ、…でも俺のことだいっきらいだもんな…」
翔樹が悲しそうに言う
見てらんないよ…
「ごめん…でも、もう他の子と遊ぶのはやめて?」
「わかった、かこが言うなら」
翔樹は笑ってくれた。
そう、あたしはこの笑顔が大好きなんだ!
「…翔樹だいすきっ!」
つい抱きついてしまった。
「…かこ、それって誘ってる?」
え?
「ちがうちがうちがぁーう!」
あたしは必死に言い訳、
「そんなに嫌がらなくても(笑)」
あ、そうだね(笑)
「でも、今日は逃がさない」
耳元でささやかれた。
そんな…色っぽい声で言わないでよ…
あたしが真っ赤になって目をつぶっていたら
翔樹からのキス。
そのまま、あたしたちはベッドに倒れた。