君のため
2章 夜
あたしは教室に入った。
ごく普通のクラスでほっとした。
しばらく自分の机でぼーっとしていたら
一際甲高い声がきこえた。
「あ、かこちゃん!」
…最悪だ。
そこにいたのは秋だった。
「かこちゃんと一緒のクラスでよかった~♡
いっぱいお兄さんと弟さんのこと教えてね!」
疲れたな。
まぁこんなこと言われるのも慣れたんだけどね。
「やった~!秋と一緒とか最高だね!」
心とは正反対のことを言う。
「どんだけでも教えるよ♪」
クラスが変わった今日、クラスを変えたいと思った。