君のため

「秋!!待たせちゃってごめんね??」

あれから部屋を一瞬で片付けた。

「ううん!全然大丈夫だよ~♪
それより入っていい?」

あ、そっか。

あたしなんかどうでもいいもんね。

「どうぞ~♪入って入って!」

「おじゃましま~す」

元気だなぁ

「あれ?この靴誰の?」

あ!やばい!

秋は翔樹目当てなのに彼女来てるじゃん!

「あ~、えっと…
言いづらいんだけど…翔樹の彼女の靴」

恐る恐る言ってみた。

「ふ~ん…」

秋さん!目が怖いです!

「たぶんそろそろ帰るから大丈夫だよ!」

と言ったとたんに2階から2人がおりてきた。

秋の目がもっと怖くなった。

「ねーちゃん、その人誰?」

秋のことだ!

秋を盗み見ると…

めっちゃかわいい笑顔になってる!

すごい…(笑)

「はじめまして~♡
かこちゃんの親友の秋っていいます♪」

声が違いすぎる(笑)

てか親友とか初耳なんですけど、

「ふーん。」

翔樹はあたしを睨んだ。

なんで…?

あたしなんにもしてないよ…?

「杏、帰って。」

「う、うん」

秋の目はまた戻っていた

「おじゃましました」

杏はお辞儀をして出ていった。

なんていい子なんだ…!

なんて思っていたとき

「翔樹くん!今から翔樹くんの部屋に行っていいかな?」

えっ、

あたしの部屋にはこないんですか?

…最初からわかってたけど。

「いいけど…」

いいんかい!

ちょっと嫉妬。

あたしだってあんまり行ったことないのに。

「やったぁ!あ、かこちゃん!荷物おいとくから持ってってほしいなぁ~」

いやだ。

いやだいやだいやだいやだ。

でも口から出る言葉は

「わかった!楽しんでね♪」

あたしって最低だ。

「ありがとぉ♡さすがかこちゃん!
じゃ、行こっか?翔樹くん!」

「ん…」

あたしを玄関においたまま、2人は行ってしまった。
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