意地悪姫の反乱
ハリス =ローアンと護衛騎士達は困惑していた。
朝からずっと護衛についているわけだが今日の姫はおかしかった。
いや最近はずっと様子がおかしかったがそう言うことではない。
朝食後に魔法使いの塔に行ったがあっという間にゾフィーに体よく追い払われた。
そして彼女は湖の花畑に向かった。
「まあ素敵。こんなところでのんびりお昼寝もいいわねえ」
なぜ昼寝?
「嫌なこと忘れて踊れたら最高ね」
最高か?本当に?
「そうだ、ハリスさんお相手して下さる?」
「……はい」
朝からティア姫の様子がおかしいと聞いてやって来たハリスは大変困惑したが愛想笑いで誤魔化した。
姫様の手を取りダンスの練習などをする。
「……あの、ティア姫様?」
「何かしら?」
「本日アリシア様はどちらに?」
「……なぜお姉さまの事を聞くの?」
「ちょっと気になりまして…」
ティア姫はハリスの手を離す。目が据わっている。
「あの…?姫様?」
「 ーーー面白くないわ!」
「えっ、なにか失礼を?」
「もういいわよ、みんなして!私一人馬鹿みたいじゃないの!やってられないわよ!」
「ええええ?あの…?」
「朝から誰一人ティアを間違えないのに誰一人それを言わないで!気を使われて腫れ物扱いの私の立場はどうなるのよ?冗談じゃないわよ!」
「……アリシア様、皆そんなつもりでは…。すいません…」
「謝らないで。もういいわよ、それが目的ではないから」
「それじゃ、やはり…」
「今頃護衛騎士と二人きりよ。読書の時間だけどきっと集中出来ないわね」