俺のバカな後輩
「………うん」
「ふーん」
上手く騙せなかったことに落ち込んでいる莉乃は、顔を上げない。
「ねぇ、莉乃は俺のことどう思ってるの?」
だから、くっと口角をあげた俺には気付かなかった。
「え、も、もちろん好きだよ!」
「俺は嫌いだよ」
間髪入れずにそう言えば、えっ?と動きを止めた莉乃。
初めは何を言われたか理解できなかったらしく、とぼけた顔をしていたが、暫くすればみるみるうちに目に涙がたまっていった。