俺のバカな後輩
「………何それ」
「………高校の制服」
だって、もう1回好きになって貰うにはこれしかないって思って……
そう言った莉乃は、紺色のスカートの上でぎゅっと拳を握り、その体は小刻みにふるえている。
「だから、その……好き、です」
顔を真っ赤に染めて、涙で目を潤ませて、何度も言う「好き」の2文字。
さすがにやりすぎたか。
ソファーから腰を上げ、ゆっくりと頬へ手を這わせれば、びくりと1回大きく莉乃の体が跳ねた。
「俺も好きだよ」
返事も待たずにそのまま口を塞ぐ。
応えるように瞑った目からはためていた涙がこぼれて、頬にあてていた指でそれを拭う。
少ししてゆっくりと離れれば、目を開いた莉乃は惚けていた。