俺のバカな後輩


「ごめんなさい、お待たせしました」


凛と通る口調でそう言った彼女は、やっぱり綺麗だ。

隣にいるバカとは似つかない。



そう思って莉乃を見れば、口を大きくあけたまま固まっている。



………ほんと、天と地ほどの差だな。
月とすっぽんってやつ?


莉乃がすっぽんだと思うと、じわじわと笑いがこみ上げてくる。

ダメだ、笑っちゃいけない。



そう思って前を見た俺は、笑いたくても笑えなくなった。
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