俺のバカな後輩
あなたに合う色
家に帰ってみれば、「おかえり」という声が聞こえない代わりにシャワーの音がかすかに響いていた。
どうやら珍しく先にお風呂に入っているらしい。
そのまま上着を脱いでソファの背もたれへとかけ、そのまま腰掛ける。
テレビを見ようとリモコンを探せば、その隣に見開きのまま雑誌が放置されていた。
女性向け雑誌らしいそれは、おそらくさっきまで莉乃が読んでいたんだろう。
見開かれたページに大きく書かれていたその文字は、意識しなくとも視界に入り込んでしまった。