星空と君の手 【Ansyalシリーズ 託実編】
約束の時間まで、少しは時間があるから
この間行ったばかりだけど、
お姉ちゃんのお墓参りに行こうと足を向ける。
そして……その場所で、
私は逢いたいけど逢いたくない人の姿を見つける。
「託実……さん……」
お姉ちゃんのお墓の前に、
静かに手を合わせていた託実さんは、
驚いたように私を捉えた。
「百花……」
この場所には託実の大切な人が眠ってる。
心臓病のその彼女の名は、
満永理佳……私のお姉ちゃん……。
嘘っ……。
真実はあまりにも残酷すぎて、
私は逃げたすように、
その場所から立ち去った。
逢いたいけど……
もう逢えない。
託実さんが大切な人は、
私のお姉ちゃん。
お姉ちゃんを想う託実さんに、
私が……勝てるはずない……。