星空と君の手 【Ansyalシリーズ 託実編】
21.切恋華 -百花-
目が覚めた時、
私は真っ暗な場所に居た。
いつもと違う、お布団の肌触り。
視界が暗闇に慣れ始めた頃、
キョロキョロと視線を向けるものの、
見知らぬ場所に居た。
此処何処?
私……確か、
お姉ちゃんのお墓に居たはずなのに……。
そこで誰かに背後から体を拘束された思い返す記憶に、
体中が震えだす。
だけど……だけど……、
その声に記憶があったはず……。
ベッドサイドのキャビネットには、
飲みかけ飲み物が入ったグラス。
そして錠剤が入っていたと思われる、
薬の飲み後。
ゆっくりと体を起こして、
自分の荷物を探す。
同じようにキャビネットの近くに置いてあった見慣れた鞄から、
財布や携帯電話などが全て入っていることに安心して、
携帯を見つめる。
両親から何度も不在着信が入ってるけど、
その着信は無視して、電話帳から親友の番号を呼び出す。
唯香に連絡してみる?
だけど……まだ時間は4時前。
流石に、寝てるかもしれない。
かといって、このまま
この場所で留まりすぎるのも気になる。
とりあえずこの場所が何処なのか、
何で私が此処に居るのか知りたい。
そう思いながら、
壁際の部屋の電気のスイッチを入れる。
明るくなった部屋は、
シンプルな家具が並んだ見知らぬ部屋。
キャビネットには、一枚のメモ帳。