星空と君の手 【Ansyalシリーズ 託実編】
「十夜に言われるまでもないよ。
いつもながら、晃穂ちゃんの情報には頭があがらない。
憲、晃穂ちゃんにも有難うって伝えておいてくれ。
実際に唯香ちゃんの情報が出てしまっているなら、
一度出たもの、次が出ないとは限らない。
裕真兄さんにも、宝珠姉さんにも掛け合ってみるさ」
「まぁな、オレの方も情報の出所探っておくさ。
後は、雪貴情報。そっちは何か入ってるか?」
「いやっ、留学して以来、雪貴からは連絡が入ってこない。
お前のところには?」
「お前のところに来てないんだ。
オレんとこに入って来るってなんで思うんだよ。
けどオレの方は、別ルートから情報取り寄せてる。
惣領国臣【そうりょうくにおみ】。
昂燿時代の先輩が、丁寧に雪貴の情報毎日送ってきてくれてるよ」
「ピアニストの惣領国臣」
「そうそう、あの掴みどころのない国臣先輩も
こういう時には頼もしい情報源だよ」
十夜はそう言いながら笑うと、
秘書らしき人から、連絡が入って慌ただしく次の会議へと出かけていった。
十夜がもたらした気になる情報を元に、
俺自身も対応策に追われていく。