星空と君の手 【Ansyalシリーズ 託実編】
唯香を連れ出すまでの間に、
託実は託実で十夜さんと打ち合わせをしていたらしく、
浴室から出てきた唯香に告げられた言葉は、
唯香は、暫くは憲さんが運転する車で出勤することになったこと。
そしていつの間にか、私たちの結婚式の前に
唯香を一番支えてくれる、雪貴君の一時帰国が決まったこと。
私一人じゃ何も出来ないけど、
今は……皆が、唯香を助けてくれてる。
雪貴くんの名前が出た途端に、
嬉しそうな表情を見せた後に、すぐに表情がかげっていく。
「大丈夫。
私や託実が傍に居るから。
十夜さんも憲さんも居てくれるでしょ。
唯香の周りには、
ちゃんと今は仲間がいるじゃん。
隆雪さんと雪貴が出会わせてくれた
大切な仲間がさ」
そう、今の唯香の傍にも
私の傍にも、Ansyalが繋げてくれた
頼もしい人たちがいるから。
私もそんな仲間たちと共に、
唯香をちゃんと支えていきたい。
そんな風に思えた。
唯香、保護事件。
その日から、結婚式当日まで
お互い連絡を取りながら当日を迎えた。