星空と君の手 【Ansyalシリーズ 託実編】
11.サプライズ -託実-
悧羅祭の為のバンド練習。
プロデューサー業務。
結婚式に向けての準備。
様々なものに時間を追われながら迎えた結婚式当日。
俺は、百花と共に結婚式の会場となる
伊舎堂のホテルへと向かった。
今日の主役となる百花は、
挙式の準備の為に、メイクルームへと消えていく。
百花より少し遅れて、新郎である俺も
ヘアメイクと衣装に着替えると、
俺の方は、会場関係の下見と最終の打ち合わせに奔走する。
親族を迎え入れ、着替えやすいように誘導して
控室へと戻ると、
十夜をはじめとしたAnsyalのメンバーも姿を見せていた。
「お疲れさん、託実」
「お疲れって、まだ式もこれからだって」
「まぁな。
託実の一日は長いよな」
そんな言葉を吐きながらも、
瑠璃垣の御曹司としてのモードではなく、
Ansyalの十夜としての出で立ちで、ビシっと決めている十夜。
「あぁ、託実。
オレ、今日は瑠璃垣じゃなくてAnsyalで行くから」
そんな十夜の意味深な言葉を気にかけながらも、
俺は時間が流れるまま、慌ただしく動き続ける。
結婚式のリハーサル。
結婚式本番と、
百花をエスコートしながら時間だけは過ぎていく。