愛してるの伝え方
君と私と
「ミヤちゃん今日もかわいい!」
「暑いので近寄らないでください」
「あーもう、大好き!」
「……会話が成立しませんね」
高校二年の七月。夏の暑さにも負けず、この男子は抱きついてくる。何の嫌がらせだろうか。
「ほんと、離れてください。私今すっごく汗かいてますから」
「ミヤちゃんの汗ならむしろウェルカム!」
「……ドン引きです」
イケメンのくせに残念。
残念なくせにイケメン。
同じクラスの瀬戸昴くん。
何の因果か呪いなのか、私・麻木雅は彼につきまとわれることになってしまった。