愛してるの伝え方
「今日は俺お金いっぱい持ってきたからね。なんでも奢っちゃうよ!」
「いいです。自分の分くらい自分で払えます」
「そう言わないでよ。俺が誘ったんだし」
「でも私が勝負に負けたんです。敗者に情けは無用ですよ」
「……頑固だなぁ」
瀬戸くんはへにゃっと笑った。
「あ、瀬戸くん」
「なに?」
「そういえばさっき、藤岡さんからメールあって。
一緒に花火大会に行きたいそうです」
「は!?」
「……オッケーしちゃったんですけど、都合悪いですか?」
いきなり瀬戸くんが大きな声を出したから驚いた。
瀬戸くんはゴモゴモと何かを言っている。何を言ってるかはわからない。
「……別に、いいけど」
渋々了承する感じで瀬戸くんは言った。明らかにテンションが下がっている。
待ち合わせ場所の駅で、瀬戸くんと一緒に藤岡さんを待っていた。