愛してるの伝え方

「今日は俺お金いっぱい持ってきたからね。なんでも奢っちゃうよ!」

「いいです。自分の分くらい自分で払えます」

「そう言わないでよ。俺が誘ったんだし」

「でも私が勝負に負けたんです。敗者に情けは無用ですよ」

「……頑固だなぁ」

瀬戸くんはへにゃっと笑った。

「あ、瀬戸くん」

「なに?」

「そういえばさっき、藤岡さんからメールあって。
一緒に花火大会に行きたいそうです」

「は!?」

「……オッケーしちゃったんですけど、都合悪いですか?」

いきなり瀬戸くんが大きな声を出したから驚いた。
瀬戸くんはゴモゴモと何かを言っている。何を言ってるかはわからない。

「……別に、いいけど」

渋々了承する感じで瀬戸くんは言った。明らかにテンションが下がっている。

待ち合わせ場所の駅で、瀬戸くんと一緒に藤岡さんを待っていた。
< 12 / 94 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop