愛してるの伝え方
「これもダメ?
じゃあ、えっと……」

「いいですよ」

「え!?」

「花火大会でしょう? それくらい行ってやらんこともないです」

瀬戸くんは見るからにわかりやすく喜んでいる。
どんなこと言われるのかと思えば、花火大会に行く程度のことだったなんて。

「やった! ありがとうミヤちゃん! 楽しみだな!」

瀬戸くんは感激のあまりか椅子に座る私に抱きついてきた。

「私、抱きついていいなんて言ってませんけど」

「だって嬉しい!」

まるで大型犬のような瀬戸くん。
少しだけ可愛いと思いそうになったけれど、いかんせんここは教室。

「瀬戸くん、ここ教室ですよ」

「知ってる!」

「…離れてくれないと、花火のこと決めれませんよ?」

私が言うと、瀬戸くんはパッと離れた。
自分で言うのもなんだけど、彼の扱いにも慣れたものだなぁ。

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