愛してるの伝え方


「ミヤちゅわぁあん!」

「……へ?」

物凄い勢いで、階段を駆け上がってくる。
紺色甚平の彼は瀬戸くんだ。

「やっと見つけた!」

「な、んでここに?」

あの三人と一緒にいたんじゃなかったっけ。

「どこ探してもいないからさー、すっごい探したよ!」

「……」

ぎゅっと抱き締められる。苦しい。
体格差を考慮して行動してほしい。

「リナさん、でしたっけ。あの人達はいいんですか?」

「……? あの子達と一緒にいる意味なくない?」

「笑ってたじゃないですか」

「もしかして見てた?」

「瀬戸くんを探しに行ったら見つけたんです」

「声かけてくれたらよかったのに!」

「瀬戸くん、楽しそうでしたから」

「愛想笑いに決まってるじゃん!
ミヤちゃんを探してたら、あの三人が来て、話してただけだよ」

「楽しくないのに笑えるんですね」

「結構得意だよ、知らなかった?」

「別にどうでもいいです」

少し言葉がトゲトゲしくなる。
何故かはよくわからないけどイライラする。

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