愛してるの伝え方
登校中、家を出たところで瀬戸くんと会った。
たしか彼の家はこの辺りではないはず。むしろ学校から見れば反対側にあったはず。

今さらそんなこと気にはしないけれど。


「ミヤちゃんひっさしぶり!」

「朝から元気ですね。何がそんなに楽しいんですか」

「知りたい知りたいー?
ミヤちゃんと会えること、それが俺の人生最大の喜び!」

「……相変わらずですね」

夏休み明けでもテンションの変わらない瀬戸くんに呆れた。

「今学期のミヤちゃんも可愛いなぁ。愛してる!」

「へぇそうですか。
抱きつかないでください。暑苦しいです」

今朝も瀬戸くんとの変わらない朝だった。

< 44 / 94 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop