愛してるの伝え方



「超キュート! そんなに可愛い卵混ぜ姿見たことない!
そのエプロンも最高に可愛いね!」

「……一生黙っててくれませんか」

三限目の家庭科の時間。
調理実習でオムライスとサラダとスープを作ることになったのだけど、何故か瀬戸くんが同じ班の場所にいる。

名前順だから絶対に違う班なのに。

「瀬戸くん、戻ってきて!」

「瀬戸くん呼んでますよ」

「えぇー。もっとミヤちゃんといたかったのになー」

同じ班の子に呼ばれ、渋々ながらも瀬戸くんは戻った。
やっと離れられた。


「麻木さん、オムライス作る番だよ」

伊藤さんが声をかけてくれる。
私以外の班のメンバーの三人は既に、美味しそうなオムライスを作っている。

用意してもらったチキンライス。
かき混ぜた卵。
少量のサラダ油。

これらを駆使して、私もオムライスを焼き始めた。

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