愛してるの伝え方


「ミヤちゃんと下校っ、ミヤちゃんと下校っ♪」

「何がそんなに楽しいのか理解できません」

「隣に君がいるだけで、俺は世界一幸せになるのさ!」

「幸せな人間ですね」

駅までの道。
信号が青になるのを待っていた。

「ね、あの人かっこよくない?」

「雑誌で見たような気がする!」

「隣の人、彼女なのかな?」

「いやーないでしょ。釣り合わないって」

「そうよねー」

横断歩道の向こう側にいる女子二人が笑い合っている。
声がでかい。全部聞こえてる。

確かに瀬戸くんはイケメンだ。
私なんかじゃ全く釣り合わない。

てか、きっとうちの学校で釣り合うのは、鈴木さんくらいだ。

そんな事実はずっと前からわかっていたけれど、今日はその事が頭に浮かぶ度になんだかイライラする。

……何故なんだろ?

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