愛してるの伝え方
「笑えるわけないじゃないですか。
いつも私に向けられていた笑顔が、別の人に向けられているんですよ。
いつも私の隣にいた人が、別の人の隣にいるんですよ。

しかもその人は私と違って、瀬戸くんにお似合いの可愛い人なんです。
好きな人の話をして顔を赤くするような人なんです。

……私なんかが今さらどうにもできないんです」

可愛げもない。笑いもしない。顔立ちだって並だと思う。
友達はほとんどいない。性格もよくない。料理もできない。成績だって優秀じゃなければ、体育だって苦手。

そんな私が瀬戸くんの隣にいていいものか。いや、いいわけない。

「鈴木さんといる瀬戸くんを見てずっとイライラしていました。
胸が苦しくて、悲しい気持ちになりました。

なんなんですか、私。どうすればいいんですか」

瀬戸くんを見るたび、苦しくて悲しくて辛い。
私はこんな感情を知らない。

…いや、知っているけれど知らないふりをしていた。

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