愛してるの伝え方

「ここ、いつ出れるんでしょうね」

腕時計を見ると、既に6時。
倉庫に閉じ込められてから二時間程が経過している。

「俺的にはミヤちゃんと二人っきりだし、何の苦痛もないけどなぁ」

「そろそろお腹空きそうです」

「確かに。雷も止んだみたいだし、帰りやすそうだよね」

瀬戸くんに言われて初めて気付いた。

雷は私が気付かない間に止んでいたようだ。

あんなに怖かった雷を意識せずにいられたのは、きっと瀬戸くんのおかげだろうな。



「……方法を問わないなら、出してあげられるかもしれないけど」

「方法?」

「俺の考えが正しかったら、あっという間に鍵が開くよ」

瀬戸くんはにやりと笑った。

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