世界一遠距離恋愛

「…俺さ、絵里子に聞きたい事があって今日ここに来たんだよ。」
透くんが不意に真剣な声色でそう話し始めた。斜め下を見つめる表情は少し悲しそうにしている気が…。
「ゆっくり…丁寧に話すつもりだからさ。絵里子には少し負担になるかもしんねぇわ。気分悪くなったら…いつでも言って？」
あたしにとって…負担になる話？…きっとすごく大切な話なのだろう。それを子供なあたしに話す事に関して透くんは気を遣ってくれている。全く…そういう紳士な所が女の子にモテるんじゃないの？
「…分かった、何でも話して？」
返事をするあたしはあたしなりに覚悟はしていた。大切な話なんだから…ちゃんと聞かなくてはならない、と。
「サンキュ。んじゃ、話させてもらうな。」
噴水が水を優しく打ち付ける音の中、透くんはそっと話を始めた。