世界一遠距離恋愛

文化祭は油断大敵！？

「はい、静かにしてー！今から話すから！…秋風！お前が黙れば大抵静かになんだよ！うるせぇよお前！マジ黙れよ！」
…四月も終わりを迎えようとしている。この時期になるとこの学校の生徒はソワソワし始める。五月の中旬、この学校では少し早めに盛大な文化祭が開催されるのだ！それで今、クラス委員長の男の子が前に出て黒板にデカデカと『文化祭でやること』と書いて話し合いを始めようとしている。…透くん、そろそろ委員長が可哀想だから黙ってあげて？
「ふふっ、秋風くんっていつも楽しそうだよねっ。」
隣でさくらちゃんも微笑ましそうに透くんの姿を眺めていた。
「ホントホント…能天気なんだから…。」
「何だか何にも悩んでなさそうだよね。いつも楽しそうだもの。」
「ふふっ…そうだね。」
…やっぱり何も知らない皆から見てみれば、恐らくくだらない話をして机をバシバシ叩きながら笑う透くんの姿は何も悩んでない、人生を楽しむ様にしか見えないのであろう。…悩んでない、っていうのは間違ってるんだよ、さくらちゃん。