世界一遠距離恋愛
「はぁ…じゃ、今からこの間とったアンケート結果から今年の文化祭に俺らのクラスがやる事を発表するぞ。」
透くんがまだ委員長に悪態をついているが、委員長は何も聞こえないかの様に話を進めた。委員長…もうスルーする能力を身に付けましたか…。
「えっとねー、まず男子は圧倒的にメイド喫茶が多かった。備考欄にバッチリ『本山さんにメイドをやらせたら間違いなし』って書いちゃって!お前らやっぱり考えてる事同じだよなぁ!ま、俺もだけどさ!」
委員長の言葉に男の子達は大盛り上がり。…え?あたし?いや、もっと可愛い子たくさんいるよね?
「ふふっ、絵里子ちゃんったら男の子に人気なんだからっ。」
「いやいやいやいやっ!て言うかあたしなんかよりさくらちゃんとかもっと他の女の子がやった方が絶対いいから!」
「いやぁ、あたしもそうだしこのクラスの女の子は皆絵里子ちゃんの可愛さを認めてるからそんな事はないよーっ。」
そう言ってクスッと笑うさくらちゃんがメイド服を着ている姿を脳内で想像してしまう。…余程アキバとやらにいるメイドさんより可愛い気が。
「後これ誰だよ!『俺の可愛い絵里子にどうしてもメイド服が着せたいです!つーか絵里子は何着せても可愛いよな?野郎共、俺の絵里子取るなよ?とりあえず絵里子を家に持って帰って溺愛したいです!』…まぁ何となく誰だか分かってるんだけどさ!」
「はいはーい!俺俺!それ俺の書いたやつ!」
「だろうな!気持ちわりぃよ秋風!警察に突き出してもいいか!」
「やめてー!絵里子に会えなくなる!」
教室中、爆笑の嵐である。あぁもう…どうして恥ずかしげもなくああいう事書くかなぁ…もうクラスに認められた事だから恥ずかしさすらにも慣れ始めて来たけど。
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