世界一遠距離恋愛
「何なの絵里子、お前マジ可愛過ぎ…やべぇ、俺どうしたらいい?」
「秋風!ちょっと長過ぎねぇか!?本山さん動いてないけど生きてるんだろうな!?」
身長的に抱き締められているあたしの足は地面についていない。そんなあたしの事を抱き締める透くんの腕は強くなるばかりだ。
「…顔、見せてよ。恥ずかしがらなくていいからさ。」
そう言うと、透くんはあたしから離れた。この時、初めて透くんの姿をしっかりと見た。…やば、めっちゃスーツ似合うじゃん!真っ黒のスーツに白いワイシャツと手袋。単純な執事スタイルではあるけど、髪の毛はオールバックにしてなぜか眼鏡をかけている。何だかいつもの透くんではないみたい。なんて思いながらポーッと眺めていたら、透くんはもう一回あたしを抱き締めてきた。
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