世界一遠距離恋愛
お父さん達は最後透くんに「娘をよろしく」などと言いながら帰って行った。…あの透くんの満足気な顔!そしてあたしの所には嬉しいお客さんがやって来た。
「絵里子!来たよー!」
「あっ!花奏ーっ!」
友達を二人連れてやって来たのはシフトが空いたという花奏だった。
「ふふっ、執事の指名要求されたのに断って貴女をしめいちゃったよ、可愛いメイドさんっ。」
「あっ…ありがとう、ございます…お嬢様。」
「かっ…可愛いいいいっ!やだもうっ!明日からもずーっとメイドさんでいて!」
花奏は先程からずっとあたしの事を抱き締めている。連れて来た友達二人はあたしの知らない子なのに早速これでもかと言わんばかりに頭を撫でてくる。そのせいで崩れた髪の毛まで直してくれている。
「お嬢様方…うちのメイドにはお触り禁止なのですが…。」
「うるさいな!自分は許可なく勝手に抱き着いたくせに!」
花奏の元にやってきた透くんの顔は若干落ち込んでいた。…透くん、絶対花奏に指名されると思ってたよね。指名されなかった事にかなりのショックを受けてるよね?
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