世界一遠距離恋愛

「そうそう！絵里子！約束した通り作ってきたんだよ！」
そう言う花奏の手の中には赤やピンクのビーズで出来たイチゴのキーホルダーが握られていた。
「何これ！すっごい可愛いんだけど！」
「ふふっ、これはどうしても絵里子に作ってあげたくてさっ！絵里子の好きそうな色、たくさん使ったから！」
「かわいーっ！ありがとーっ！」
あたしはビーズアクセサリーを舐めていた。きっとゴムにビーズを通して輪っかを作るだけ…と思っていたあたしは何だったのだと後悔する。それも大好きなイチゴだ。花奏がこれを一生懸命作ってくれている所を想像すると…。
「じゃ、絵里子忙しいだろうし、私達はもう行くね！頑張るんだよっ…メイドさんっ♪」
「かっ…かしこまりました！お嬢様！」
「やーんもう…かわいっ！」
花奏は最後に一枚写真を撮って帰って行った。…しばらくは何かある度に写真を見せつけられそうだ。