世界一遠距離恋愛
「ま、いっか。んじゃ、この後打ち上げ行こうぜー!二駅向こうの店予約したから!皆来るだろ!?」
委員長の口にした打ち上げというワードにクラスの皆は大盛り上がり。あたし達のクラス、大盛況だったもんね。打ち上げたくもなるよ。
「秋風と本山さんも来るだろ?本日の主役だもんなお前ら!」
「ん?俺ら?」
透くんがあたしを見るのと、あたしが透くんを見るのはほぼ同時だった。ばっちり目が合ってしまい、ついつい笑みがこぼれてしまった。
「俺、パス。」
「あたしも。ごめんね。」
「ええっ!お前ら来ねぇのかよ!?」
委員長は折角企画したのに!なんて嘆きながら頭を抱えていた。
「もしかして絵里子ちゃん…秋風くんとデート?」
さくらちゃんが何かを悟ったかの様にあたしに聞いてきた。いつもならここで「なっ、な訳ないでしょ!?」と言ってしまうあたし。…まぁ実際違うんだけどさ!
「想像に…任せるよ。」
今日は少し大人ぶって反応してみた。これでもうあたしの事を子供扱いする子も減るんじゃないかな!?あたし頭良いかもしれない!
「…そっかぁ!デート行くんだね!楽しんできてねっ!」
…あれ?逆効果だった?
「絵里子ちゃん、いつもと違う返事返してきたんだもの。今日はデートに違いないよっ!」
…あれ?あれれ?他の女の子もなぜかすごい盛り上がってる。「わぁ…絵里子ちゃんって大人だなぁ。」って反応待ってたんだけど!?あれれ!?しかも本当にデートには行かないし!
「秋風、お前本山さんとデート行くの?」
「え?そうだけど?」
あーもう…透くんのバカ!バカバカ!
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