世界一遠距離恋愛
「…デートってのはあながち間違っちゃいないだろ?」
「そっ、そうかもしれないけどさぁっ…。」
クラスの打ち上げを断って二人でやって来た所と言えば、最早定位置になりかけているいつもの公園のいつもの場所。今日は他のベンチに若干人が座っているのだが、あたし達が座るベンチはしっかり空いていた。ここであたしは、入院を直前に控えた透くんと最後に少しだけ一緒に過ごす事にした。…クラスの皆には何だかちょっぴり申し訳ないけどねっ。
「明日から暇になるなー…俺。」
「良いじゃん、病室籠って勉強しなよ。」
「お前、発言が真面目だな。さすが難関国立クラスにいるだけあるわ。」
…その笑い方はあたしをバカにしてるよね?自分学年一位の天才だからってあたしの事バカにしてるよね?
「…お前に会えねぇの、淋しいわ。」
夕日が沈みかける先を見つめる透くんは微笑む。…あたしはこの際聞いてみる事にした。
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