世界一遠距離恋愛

「俺は生きて帰ってくる。お前は信じて待ってろ…ってな。」
「何でそれも知ってるのさ…。」
「ぜーんぶ秋風本人から聞いたんだって。あいつが余計な事考え始めたら俺の言った言葉を思い出させてやってください、ってな。」
「透くんったら…わざわざこんな事までするなんてどんだけ過保護なの…。」
「大概、それに応えちまってる俺も過保護だけどな！」
「お兄ちゃんは妹バカなだけでしょ、早く彼女作りな。」
「絵里子…お前最近冷たくね？」
「うっさい！…お兄ちゃん、今日は透くんの手術終わるまで傍にいて？一人じゃやだ…。」
「ははっ、どうした。急に素直になって。…お兄ちゃんがいつまでも起きてお前の近くにいてやっから。心配すんな。」
「…うん。」
…そうだね、あたしバカだったよ。透くんは死なない。信じないと。約束したんだもん。…早く帰っておいで。あたしがとびきり素敵な想いを伝えてあげるから。