世界一遠距離恋愛
室内で走ると言ったら体育館のギャラリーである。よく多くの部活が使っているのだが、今日は珍しく一人も人がいなかった。大勢いるとあたしみたいにフラフラッと走っている様な奴は弾き飛ばされてしまう。
「皆、あたしの為にギャラリー開けてくれたのかなっ。」
なんて絶対にあり得ない冗談を一人で呟いて走り始めた。なかなか静かなギャラリーって新鮮。あたしの走る足音しか聞こえない。…でも気のせいかな?足音がもう一人分聞こえる気がするんだけど…
「あれっ、絵里子ちゃんじゃん」
やっぱりあたしの耳に狂いはなかった。そして背中から聞こえるその声は…紛れもない、秋風くんだった。
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