世界一遠距離恋愛

っと。らしくもなく過去の恋をズルズルと引きずってしまった。そう言うわけで今時珍しい手すら繋いだ事のない高校生がこのあたし、本山絵里子である。
「絵里子ったらこんなに可愛いのに…どうしてあいつは別れちゃったのかな？もったいない…」
「かっ、可愛くないってば！」
自分の考えていた元彼の事を花奏が話題に出した事に驚いて、思わず慌ててしまった。
「ふふっ、なんか考え事してるなぁ…なんて思ってたんだけどさ、やっぱり考えてた？あいつのこと」
「うっ…うん」
「やっぱり！さっすが私、絵里子の事何でも分かってるんだからっ♪」
そう言って嬉しそうに笑みを浮かべる花奏が怖かった。花奏はいつもあたしの考えている事を見透かしてくる。花奏の前では気持ちを誤魔化したり、嘘をついたりできない。だって無駄なんだもん…。