初恋は涙色に輝く…
★第3章★
めずらしく、何にも起こされることなく起きた私。
適当に鞄のなかにものを詰め込み、壁にかかった制服を見上げる。
…冗談でも、綺麗とは言えないよなぁ。
とくに代わり映えのない制服に袖を通し家を出た。
この通学路も、いつも通りの通学路。
……3年目だもんな。
自然とため息が出てしまうのは、なぜだろうか。
あぁ、そうか。
今日から隆太さんたちは、学校にいない。
何もかもが新しい生活を始めてるからだ。
どれだけ手を伸ばしても届くことのないこの距離。
それにため息をつくことしかできない私。
………本当に、嫌になる。