初恋は涙色に輝く…
名簿を眺めてから、無言で座り直した私たち。
『うん、やろうか。』
「あぁ。」
その後、黙々と作業を行った成果というべきか、名簿作りは順調に進み、あっという間に終わった。
大きく伸びをして立ち上がった蓮斗君は、名簿と鞄を手に持った。
「んじゃ、俺、これ出しとくから。望月帰っていいよ。」
『あー、本当に?助かります…!』
蓮斗君にお礼を言って、私は手を振った。
『じゃーね、蓮斗君。』
私の言葉に、蓮斗君は、一瞬考える素振りを見せて、こう言った。
「またな、陽菜。」
そして、3年生、1日目は終わった。