初恋は涙色に輝く…
その間も、私の心臓はバクバクだった。
1度、自惚れたことを考えてしまったら、本当にそうなんじゃないかって気になって。
今まで意識してなかったことまで意識しちゃって。
なんていうか、蓮斗君の動作1つ1つから、男の子を感じるような。
そんな風になってしまったんだ。
「陽菜……」
少し擦れた、男の色っぽい声で名前を呼ばれたら、私はもう動くことができなくて。
少しずつ近づいてくる蓮斗君から、距離をとることも出来なかった。
見上げないと顔が見えないような近さまで来て、足を止めた。
そこまできて、蓮斗君との身長差を思い知らされる。
「好き…だよ。」
たったひとこと。耳元で聞こえた声に連動するように指先が震える。
本当にひとことだったけど、その言葉は私の体温を急上昇させるのに充分だった。