初恋は涙色に輝く…
『…そうだったんですか。』
軽い感じで隆太さんは言ったけど、きっと、まだ好きなんだ。
辛そうな顔、隠しきれてないし。
「あーあ、なんかしんみりしちゃったな。そろそろ出るか。」
『はい…』
机に置かれていたレシートを手にとってレジに向かうと、後ろから手が伸びてきて奪われた。
顔をあげると、いたずらっ子のような表情の隆太さん。
そのまま、さっさとお金を払ってしまった。
『…い、いやいやいや。早いですって。いくらですか?』
「まぁ、いいじゃん。久しぶりに会ったんだし!」
言うことを聞くしかなくなる笑顔は、変わってなかった。