初恋は涙色に輝く…


「それじゃ、俺、こっちだから。」

『はい、本当にありがとうございましたっ!』


「いーっていーって」

そう言って歩いていく隆太さん。

だんだんと小さくなっていく隆太さんの背中に、私はつい声をかけた。


『隆太さんっ!!!』


隆太さんは振り返って、不思議そうな顔をする。


『…あ、えっと……』

あー…呼び止めたくせに、なんて言えば良いのか分かんないよー。


『…あのっ。また、メールしていいですかっ?』


隆太さんは一瞬かたまって、その後ニコッと笑った。


「当たり前!また、会おうな?」


そう言って隆太さんはまた、背を向けて歩き出した。


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