初恋は涙色に輝く…
その日の昼休み、教室にはいつもより多くの人がいる。
いや、ほとんど全員いるかもしれない。
ーーガラッ……
ドアを開けて入ってきた蓮斗くんに全員が注目する。
「…じゃーんっ!おっけーでました!!」
蓮斗くんは、笑顔で先生の印鑑が押してある紙をちらつかせる。
「「「しゃあっ!!!」」」
「「やったねっ!」」
「じゃー次は、担当とか衣装とか考えなきゃねっ!」
「おぉっ。なんか楽しくなってきたな!」
クラスの盛り上がりに、うまく乗れないでいる私。
自然とため息が出る。
ーーボーカルとか…無理だって。