初恋は涙色に輝く…
★最終章★
いろいろあった文化祭を終え、私たちは普通の日常を過ごしている。
変わることといったら、昨日初雪が降ったくらいかな。
「雪よ積もれ、雪よ積もれ。」
「雪合戦雪合戦雪合戦。」
「あー、雪降るとダイブしたくなるんだよなぁ」
回りから聞こえてくる声も、冬の訪れを感じさせるのに十分だ。
気がつけば教室にはストーブがつき、手袋とマフラーは必需品に。
完璧な冬の到来。12月だ。
「陽菜も、雪降ったら雪合戦しよーね!」
珍しく子供のように騒ぐ瑞穂に、私は笑って答える。
『嫌だ、絶対やらない。』
「ええぇぇ!?」
瑞穂の叫びを聞こえない振りをしてスルーする。
何が嬉しくてわざわざ寒いところへ行かないといけないんだ。
冬は、こたつでみかんを食べるんだよ。
それが冬ってもんでしょう!