無理して笑うな
「ほんとにかっこいいや。自信なくなちゃうな。」
いやいやいや、
そんなかっこいい顔を持ってて何言ってんだこいつ。
「唯から聞いてるんだ…」
俺はため息をついた。
誰にも言ってないわけではなかった。
「うん。6年前に事務所で知り合ってすぐにね。
でも俺達4人にしかいってないはずだよ。弘樹君も知らなかっただろ?」
井上 蓮の話では、唯は引っ越してすぐに今の事務所にスカウトされたようだ。
そこでBlueSkyのメンバーと知り合い、3年間特訓を受けた後にデビューしたらしい。
事務所側の都合で5人は同じ高校らしいことも分かった。
「あ、俺のことは蓮でいいから。悠斗って呼んでいい?」
俺は頷いた。
まあ、また会うことがあるのかどうかは疑問だが。
「はい、これ。」
蓮はそう言うとメモになんか走り書きをして俺に渡した。
「リーダーのメアドと番号。あ、俺になにかあったら流星に聞いてくれるかな?それともリーダーのメアド必要ない?」
「いる。」
俺はもちろんそう答えていた。
こんなチャンス逃すわけがない。
「ありがとう。」
蓮は首を振った。
「俺としてもリーダーが元気になってくれるんだったら大歓迎。俺達のためにもさっさと解決してくれよ。」
蓮は それじゃ と言うと歩き出した。
俺はただそれを眺めていた。