無理して笑うな

「ほんとにかっこいいや。自信なくなちゃうな。」




いやいやいや、



そんなかっこいい顔を持ってて何言ってんだこいつ。




「唯から聞いてるんだ…」




俺はため息をついた。



誰にも言ってないわけではなかった。




「うん。6年前に事務所で知り合ってすぐにね。

でも俺達4人にしかいってないはずだよ。弘樹君も知らなかっただろ?」




井上 蓮の話では、唯は引っ越してすぐに今の事務所にスカウトされたようだ。



そこでBlueSkyのメンバーと知り合い、3年間特訓を受けた後にデビューしたらしい。



事務所側の都合で5人は同じ高校らしいことも分かった。




「あ、俺のことは蓮でいいから。悠斗って呼んでいい?」




俺は頷いた。



まあ、また会うことがあるのかどうかは疑問だが。




「はい、これ。」




蓮はそう言うとメモになんか走り書きをして俺に渡した。




「リーダーのメアドと番号。あ、俺になにかあったら流星に聞いてくれるかな?それともリーダーのメアド必要ない?」




「いる。」





俺はもちろんそう答えていた。


こんなチャンス逃すわけがない。




「ありがとう。」




蓮は首を振った。




「俺としてもリーダーが元気になってくれるんだったら大歓迎。俺達のためにもさっさと解決してくれよ。」




蓮は それじゃ と言うと歩き出した。



俺はただそれを眺めていた。





< 27 / 135 >

この作品をシェア

pagetop