無理して笑うな

『朝学校に行くついでに事務所に来て!』




というメールを受けて事務所に行っていたあたしは、そろそろ時間なのを興奮した栗田さんに分からせなんとか事務所を出た。




「ゆーいちゃん!」




事務所を出てすぐ、誰かに肩を掴まれ驚いて振り返ると



同じぐらいの時間に事務所を出た同期の藤崎ミナがあたしの肩に飛びついていた



ミナはボブがとても似合った清楚な印象を与える女の子だ



あたし達と同じRedStars所属の3人組人気アイドル、Colors!のリーダーだ。




「あ、ミナ!久しぶり!」




「うん!聞いたよ唯ちゃん!主役おめでとう!」




ミナはとても笑顔が似合っていて、みんなを元気にする力を持ってると思う。



アイドルにはとても向いてる。




「ありがと!ミナ、アメリカどうだったの?」




ミナの所属するColors!はデビュー当時からダンスが苦手だった。



歌は他の誰にもひけを取らない代わり、おっとり不器用な3人は踊りながら歌うということが出来ず



アメリカに渡って技術を磨いていたのだ。




「厳しいとこだったよ〜。

今は一時帰国だからまた来週にはアメリカなんだけどね。
でもこれからはちょこちょこ帰って来るよ!」




ミナはニコッと笑って言った。




「ハナと由香里もまだ向こうにいるし、早く帰らないと。

リーダーの私が早く帰らないといろいろややこしいしね。」




あたしは首を傾げた。




「あれ?どうして帰ってきたの?」




「ひどいなぁ唯ちゃん!日本で撮影があるのよ。」



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