無理して笑うな


俺達は部活の後、更衣室で着替えながら話をすることになった。



3年生は模試があるとのことで参加していないし、1年生達は全国大会の予選が近いということでまだ練習している。




「で、コンサートで何があったんだよ?」




他の2年生もみんな帰って行き、俺達しかいなくなった部室で流星は椅子に座った。



俺もその向かいに椅子を引っ張ってきて座ると、この前唯と会って何があったかを話した。




「お、お、お前亜依ちゃんに会ったのか…どーだ可愛かっただろ!?」




「そりゃー、アイドルだからな。ってそーじゃなくて…」




ため息をついた俺を見て流星はニッと笑った。




「分かってるって。嵯峨山 唯とは会ったことないけど、相当な頑固なのか?」




「まあ、頑固じゃないって言ったら嘘になるけど…」




俺はまたため息をつく。



こんなことを言っても、俺が知ってる唯は小学生までの唯だ。



今はもう、性格もだいぶ変わっているだろう。




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