ラブレターを君へ
「ちょっと、由依。さっきから黙り込んじゃって、大丈夫?それに、何だかいつもより顔赤いし…。あっ、もしかして由依…」
私のことを心配してくれていた彩夏が、はっ!と何かを勘付いたような顔になる。
そして彩夏は、私の耳もとに顔を寄せてきて、小声で話し始めた。
「さっき、山田が声に出して読んでいたラブレターを水原くんにおくったのって…
もしかして、由依なの?」
「…っ」
私は返事の代わりに、コクリと頷いた。
「やっぱり…」
あー。山田くんのせいで、彩夏に話す前にラブレターのこと知られちゃったよ。
「あれ?でも、この流宛てのラブレター…」
また山田くんが、何か話し始めた。
もぉ、今度は何…?